プロセスセンターでは精肉製品、惣菜を製造し店舗に出荷しています。その一番の目的はできるだけ店舗側の負担を減らし、現場のスタッフがお客様のニーズに注力し、店舗にしかできないことに集中できるようにすることです。それが店舗とセンターのより良い関係性の構築、業務の最適化に繋がります。

私は2001年の入社以来、店舗や販売部などを中心に仕事をしてきました。当社は従来、各店舗、各社員に与えられる裁量が大きく、それぞれがアイディアを出して仕事を進める業務プロセスでした。互いに切磋琢磨し、高め合えるメリットもあった反面、業務プロセスや成果が属人的になるのは否めず、従業員に負荷がかかり、時間的なコストもかかっていたように思います。

しかしここ数年、社内では「商の工業化」が急速に進みました。徹底した仕組み作り、ツールのIT化などにより、社内の誰がやっても80点の成果が生まれるような再現性のあるものになり、残りの20点を店舗や個人の裁量に任せるように変革が進められてきました。その結果、決められた「作業割当」に従って動けば全体効率や生産性が向上し、社員の負担は大幅に減り、売上は向上してきました。

現在の私の仕事は、事業部長としてプロセスセンターをもっと働きやすく、魅力的な場所にすることと、次世代複合型のプロセスセンターのプロジェクトを進めることです。

現在、プロセスセンターとして取り組んでいるのがコミュニケーション不足の解消です。私が施策として導入したのが「改善提案交渉制度」で、自分が気づいた現場の改善案やアイデアを誰もがポストに入れられるシステムです。例えば、センターの機能向上にプラスになる改善案に対してはインセンティブ提供するなどして、みんなが職場を良くしていきたいという意識を高め、アクションを起こせるようにしています。現段階で大切なことは、改善案の内容よりも、些細なことでも良いからまず自分の考えを発信することだと考えています。

プロセスセンターのメンバーには、お客様や社員からの「ありがとう」を「創造」しようと話しています。つまり、お客様にとって「美味しく」、社員にとって「助かる」仕事を自分がしているかどうか、考えてみようということです。また、お客様や社員からの「ありがとう」を想像することも大事だと思っています。具体的な感謝の言葉がなくても、「ありがとう」をいつも具体的にイメージしているとモチベーションもアップしますから。

私のもう1つの仕事、新しいプロセスセンターのプロジェクトも会社の成長戦略上とても重要です。将来、今よりもさらに自社での商品製造ができるようになれば、間違いなく大幅なコスト削減に繋がり、会社の将来や社員に投資できるようになります。もちろん、生産人口が減少していく日本社会においてどの企業も同様のビジョンを描いていますが、ベイシアはさらなるスピードと高いクオリティを目指したいと思っています。